中国でクローン猿?「わたしを離さないで」の世界がすぐそこまで来てる。
以前中国でクローン猿が生まれたというニュースを聞いて、今後はドーピングとかいうレベルではなくなるかも?と思いました。
猿は人間と遺伝子的にほとんど一緒らしく、猿のクローンができたということは人間のクローンも技術的にはできるということ。
優れたスポーツ選手の遺伝子からクローン人間を作る。
そしてその人間に、入念に組み立てられたトレーニングをさせる。
これからは、もう遺伝子レベルで選別してトップアスリートを作り上げられるのでは?
というか、もしかして中国やロシアなどではすでにやっているのでは?
という気すらしてしまいます。
「クローン人間」といえばノーベル文学賞を受賞した「私を離さないで」も、主人公はクローン人間です。
わたしを離さないで あらすじ
クローンとして生み出された主人公キャシーは、他のクローンの子供達と一緒に寮(ヘールシャム)で生活していました。
キャシーやそのほかの登場人物はヘールシャムで、些細なことで傷ついたり楽しんだり、普通の子供のように成長していきます。
でも色々な事が起き・・・
たとえば外部の人間が自分たちに接する時に恐怖と嫌悪を感じているのを察した時
また、自分たちに生殖能力が備わっていないと知った時
そして、「ポシブル(クローン元)」探し・・・。
キャシーもそのほかの子供達も、自分が誰かのクローンであり、
「いつか自分たちの臓器を提供する」
のが前提の存在だということを、徐々に実感を伴いながら受け入れていくのです。
「わたしを離さないで」の意味(ネタバレ注意です!)
もしかして提供を免れる方法があるかもしれない。
というかすかな希望を抱いて、キャシーとトミーが「マダム」を訪ねた時のことです。
そこでキャシーが、なぜ自分がヘールシャムにいた時「わたしを離さないで(Never Let It Go)」という曲を聴きながら(枕を赤ちゃんのように抱いて)踊っていた、それを見たマダムが泣いたのか、と聞きます。
マダムは言います。
曲を聴きながら踊っている少女の姿に、古い世界を抱えているように見えたから、と。
科学が発達して、効率がよくなり、色々な事が可能になる。
でも、無慈悲で残酷な世界だ。
でもこの踊っている少女は、消えつつある世界を抱えながら「私を離さないで」と懇願している。
「古い世界」とは科学の進歩のようには変わっていかない人の心なのか?
もう少し前だったら、心と体はそう簡単に切り離せるものではないけれど、今は細胞レベルで切り離し、選別し、くっつけ、新しい存在もできあがる。
遺伝子だけで選んでいったら、勉強がすごくできたり、スポーツ能力が優れている人間を作り出すことも、もしかして昔の偉人を蘇らせることだって可能になるかもしれません。
でも肉体的な能力は想像できても、心はどうなるのか、わからない・・・。
この本の表紙のカセットテープは、「私を離さないで」が入っているカセットテープだったのです。
「わたしを離さないで」映画を見ての感想
アマゾンプライムビデオで有料(199円)だったので見てみました。
あの小説を2時間弱にまとめたのですから、だいぶはしょってありましたが、映像にされたことですんなり入ってくるものもあり、小説の世界観も壊されることなく、映画は映画で良かったです。
ただ「ここは」というところが変わっていました!
まず、昔キャシーが「私を離さないで」を聴きながら踊っていたのを見たのは映画ではルース(トミーの元恋人)になっていました。
これを見たのがマダムでないと、「わたしを離さないで」の意味が判明しないんですよね・・・。
なのでマダムを訪ねたキャシーたちに告げられた言葉も変わっています。
まあ確かにそうなんだけど、ちょっと違うなぁ・・・という感じ。
映画で言われた言葉の方がもっと残酷かも。
どういうことが人の進化なんだろう・・・
少し前に話題になりましたが、日本の富豪がタイで代理母に何人も子供を産ませていたことが明るみになりました。
サッカー選手のクリスチアーノ・ロナウドも、「母不明」で代理母によって子供を何人も産ませています。
もしかして、卵子カタログで「スタイルがいい」「頭がいい」「持病がない」などの条件で買い物するように選んでいるかもしれません。
そのうち自分のクローン人間も作るかも?
今出した例は男性ですが、女性だって自分の卵子を取り出して、精子バンクで選んだ精子と受精させて何人も代理母によって産ませる事だって可能です。
生物学的な意味で「親」になると権利が生じるから、面倒!でも自分の子供は欲しい。
と、妻なしや夫なしで子供を設けることがこれからハリウッド・セレブの間でブームになるかも?
一応人間のクローンを作ることは世界では禁止されていますが、できる技術があるのだから、それも時間の問題かもしれません。
その時に「わたしを離さないで(Never Let It Go)」って一人一人思い留まれるんだろうか?
この本は完全なフィクションではなくて、そこまで来ている現実なんだと、あらためて実感しました。