「君たちはどう生きるか」本と、ちょっと映画の感想も

朝起きたら、次女が映画「君たちはどう生きるか」を見たいと言ってきました。

タイトルになったこの本は1937年に出版された小説を漫画化したもので、何年か前に子供たちにと買ってきていたのだけど、私もあらためて読んでみた。

大半は漫画だけど、途中手紙形式で長い文章あり。

哲学書のようでもあるけど、読者へ、まさに「あなたはどう生きていくのか」を問う本です。

以下、本に関してネタバレ含みます↓

あらすじ

主人公は中学生の「コペル」君。

そして亡き父の代わりに、彼を見守ってくれている叔父さん。

子供から大人に成長していくコペル君の、「こうありたい」と思う姿と、弱さからくる挫折の体験をとおして、本当の意味での「立派な人間」になるにはどういうことなのか、ということを心に刻んでいく。

本を読んで感じたこと

法律や道徳を守らないといけないのは確かに当然だけど、それ以前に、「あなた自身が」どう考え、行動するのが「立派な人間」なのか。

今そんなこと考える時間は「道徳」の授業くらいでしょうか。

でもこの本ではまっすぐ、そのテーマを掘り下げていきます。

もちろんここで言う「立派」というのは、社会的に一目置かれる存在という意味ではなく、自分という存在が「社会」の一部であることを自覚し、信念や良心に沿って行動する勇気のある「生き様が美しい」人という意味です。

今も昔も、自分の弱さを克服して、自分が「正しい」と思う行動をするというのは本当に難しい。

特に今は昔よりさらに、情報が雪崩のように押し寄せてきて、考えるも何も、ただ目の前に表れる事柄を一瞬でスワイプするだけで、自分の気持ちさえちゃんと意識しない人が多いのではと思う。

だから周囲に流されるのも早い。

悪意を持った人が一人でも理由をつけて誰かに石を投げたら、賛同した別の誰かも石を投げつける。

よくわからないけど、皆が投げてるんだから自分も投げようという人が現れる。

石の数はあっという間に膨れ上がる。

中には、真理や善悪がどうとかは関係なく、自分に利害があるかどうかだけを基準にする人もいる。

日本では昔から「長い物には巻かれろ」と言う諺があるけど、意識しないままとても多くの人がそうやって過ごしているのでは?と思う。

誰かを傷つけて搾取している人をも、自分たちに利益があるならば黙って見過ごすたくさんの人たち。

その逆に、反論できなさそうな存在は、とことん攻撃する。

でもどんな時代も、きっと「立派に生きよう」と思う人もいるわけで、なかなかそういうふうにできなくても、そう思う気持ちを絶対に忘れてはいけないなと、この本を読んであらためて感じた。

それに加えて今は、「思慮深さ」もとても重要だと思う。

今は情報が行き渡るのが早いから、むしろ簡単に情報に踊らされる。

同じ出来事を伝えるにしても、伝え方次第で印象を操作するのはすごく容易い。

だから、自分が「正しい」と一瞬思ったとしても、それは物事の一部分にすぎないわけで・・・

違う立場からしたら全く違う真実があるかもしれない。

歪曲された情報や、自分の感情で誰かをすぐ断罪しようとせずに、違う視点で見よう・考えようとする努力をしないといけないのでは。

スピードが早い社会だからこそ、いったい何が本当に重要なことなのか、判断する基準を持たないと流されるだけになってしまう。

そんなことを思いました。

映画の感想(ネタバレはありませんが、少しだけ触れる部分があります)

さて、三連休初日の今日、長女と次女と映画を見に行ってきました。

長男は誘ったけど、「興味ない」そうで留守番。

今中1の長男には一番すすめたかったのですが、2回誘っても行く気は出ませんでした。

ところで映画は約2時間と、けっこう長いです。(予告含めるとさらに長い)

さて私たちの感想はというと・・・

(全く知りたくない人はこれ以降は読まないでください。)

娘たちは「んー・・・よくわからなかった」という感じ。

私自身は、「こういうことなのかな」と腑に落ちました。

でも、映画に行く前にこの本を読んでいった方が良いのでは、と思いました。

もちろん、内容はこの本というわけではないです。

が、タイトルになっているように、キーにはなっています。

もし「映画、よくわからなかったな・・」と思ったら、本を読んだらまた違う感想になるかもしれません。

とにかく、この映画は娯楽エンターテイメントというだけではなく、宮崎駿監督が今伝えたいことを込めた映画だなと感じました。

もちろん内容以外の部分、作画はやはり素晴らしくて、映画館ならではの迫力がありました!

そして音楽も・・・。

次女が「行きたい」と言わなければ映画を見にいかなかったと思いますが、私としては、見に行ってよかったです。

ただ、「興味ない」と行かなかった長男、もしつれていっても微妙だったかも?とは思いました。

いつか、意味をわかる日がくるのを願っています。

もちろん私からも伝えたいのですが、子供がある程度の年齢になってくると、親からの言葉ってなかなか心の奥底までは響かなくなってくるんですよね。

だからこそ、「君たちはどう生きるのか」の本でも、叔父さんが出てくるのではと・・。

ところで映画館、パンフレットすらおいてなくて、後日販売されるそうです。

グッズなどはほとんど置いてありませんでした。

でもきっと、今後キャラクター人気出そうだなと思います。

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